MUSERが注目する世界の音楽ニュース
ライブを見ながら、アーティストを応援するための配信プラットフォーム「MUSER」が注目する世界の音楽ニュース。今回は米 Tunecoreの記事を翻訳してお届けします!レーベル契約なくとも、インディーズアーティストたちが世界で活躍できる時代に。
米Tunecore
インディーズアーティストへの収益還元200億USDを超える
~今年だけで4億USDを超える見通し~
“誰でも簡単に自分の曲を世界中の配信ストアで配信販売できるサービス”Tunecoreが2015年のサービス開始からインディーズアーティストへの収益還元が200億USDを超えたことを発表した。
Tunecoreによると、特に今年はコロナウィルス影響で自宅待機が増え、1日に平均120万USD、1年で計算すると4.38億ドルがインディーズアーティストに収益支払われることになる。さらに、15年で支払った200億ドルの内、半分をこの3年で支払ったことから、近年での成長がうかがえる。
今日、100万人以上の個人活動するアーティストがTunecoreに登録しており、その中の“数千人”が年間10万ドル以上を収益として稼いでいるという。特に、ラップ、ヒップホップ、R&Bのアーティストが人気で$200億ドルのうち$4.8億ドルを占めていて、2番目に人気のエレクトロ・ダンスミュージック(1.98億ドル)に2倍の差をつけている。
Tunecoreの特筆すべき点は、そのビジネスモデルだ。アーティストは一律29.99ドルを支払うだけで、誰でもSpotifyやAmazon Musicなどの音楽ストリーミングサービスに自分のアルバムを登録することができ、そこから1アルバムにつき年間49.99ドルで配信サービスにコンテンツとして提供できるというものだ。さらに、コンテンツ提供料としてアーティストに支払われる収益の100%がそのままアーティストの手元に行くのが特徴である。つまり、複雑なB2Bの仲介手数料などが発生しないのである。
CRO (Chief Revenue Officer)のAndreea Gleeson氏
“私たちのコアミッションはアーティストとファンを繋ぎ、彼らのデジタルでの収益を最大化することである。Tunecoreは、インディーズでも大きいファンベースを持ち、収益を稼げるということを証明しているのだ。私たちは絶対に仲介者は使わない。つまり、収益の100%がアーティストに行く。確かに、仲介料を取らないというサービスは他にもいっぱいあるが、実際にはそうでないことが多い。”
“私たちは、特にインディーズアーティストの活動を応援している。彼らが「自分の活動は自分で全て支えてやる!」 と思える環境を作り出している。”
“我々は、大手ストリーミングサービスと直接契約を結んでいる。つまり、アーティストのために最適な契約を交渉できるのだ。アーティストたちにTunecoreを使う一番の理由を聞くと、1番に「自分の音楽を世界中に配信できること」2番に「収益性があること」だと言ってくれている”
Tunecoreアーティストとして活動するKen the Manは、そんなTunecoreの恩恵を受けた一人だ。
彼女は1年前まで、Uberの運転手やDoor Dashの配達員をしながら音楽活動していたが、TuneCoreから彼女の楽曲「He Be Like」をディストリビューションした結果、それらの仕事を手放すことができた。
”Tunecoreと『He Be Like』は私の人生を変えてくれた。私は音楽で私の全てを表現したいと思っている。レーベル契約もしない。レーベル契約すると数%の収益しかもらえない上に、音楽の権利が自分からなくなってしまうでしょ?Tunecoreがあれば、レーベル契約なんてしなくていいの。私は自分の好きな時に好きなものを配信できるのよ?!”
Andreea Gleeson氏とCOOのMatt Barringtion氏にとって、この200億ドルのマイルストーンは重要なものだという。これで、Tunecoreと親会社であるBelieveは世界の1/ 3ストリーミングサービスの楽曲提供元となることになった。
Matt Barringtion氏はこう締めくくる。
“Tunecoreはすでに$200億ドルをアーティストに収益として還元してきた。しかし、それはTunecoreの始まりに過ぎない。Tunecoreには毎日、新しいアーティストが登録し、自分の音楽を世界に配信している。この環境は、アーティストに強力かつポジティブな「本当の個人活動」を可能にしているのだ。これは、音楽業界に大きな影響を与え、既存の音楽活動を大きく変えることになる“
TuneCoreはこの半年でインド、ロシア、ブラジルへと事業を拡大し、さらにグローバルな活躍が期待されている。
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