MUSERが注目する世界の音楽ニュース
ライブを見ながら、アーティストを応援するための配信プラットフォーム「MUSER」が注目する世界の音楽ニュース。
今回は、アメリカで2015年に設立されたFeed Media Group(以下FMG)とワーナー・ミュージック・グループが提携を組んでローンチしたデベロッパー向け音楽アプリAdaptrについての記事を音楽業界ニュースサイトMusic Business Worldwideより翻訳して紹介したい。
音楽のライセンシングがより簡単に・・・?
サンフランシスコに拠点を置くテクノロジー会社Feed Media Group (以下FMG)がワーナー・ミュージック・グループと提携を組み、アプリデベロッパーらが合法的に音楽を利用することができる新しいプラットフォーム、Adaptrをローンチした。
Adaptrはオンデマンドミュージックのフルライセンスを提供することで、企業が直接ライセンス交渉をする手間をなくし、ポップアーティストやソングライターの楽曲を即座に市場で利用できることを可能にする。
サブスクリプションに登録すると、デベロッパーはAdaptrのライセンス交付前のライブラリーから自由にトラックを選んでカタログを作成することができる。ライブラリーにはワーナー・ミュージック・グループはもちろん、BMG Records, Equal Vision Records, Vio Mobile, A-Train Distribution等所属のアーティストやソングライターの楽曲が含まれている。
また、AdaptrのAPI(Application Programming Interface)とSDK(Software Development Kit)を利用することで、デベロッパーは自分達のアプリに楽曲を取り込むことができる。
FMGは2015年に設立され「様々なビジネスにとって音楽を簡単に利用できるようにすることで、利用者により魅力的な経験を提供することに専念したテクノロジー会社」である。
FMGはテクノロジー、音楽ライセンシングと配信サービス、財務とマーケティングのベテラン主導で運営されている。メンバーには共同設立者のJeff Yasuda氏(CEO), Lauren Pufpaf氏(COO)とEric Lambrecht氏(CTO)が含まれる。
Adaptrの月額料金は’Starter tier’プランの69ドル(7300円相当)から ‘Teams tier’プランの549ドル(60000円相当)まで設定されている。
‘Starter tier’プランはAdaptrの音楽カタログ全てに無制限のアクセスと一つのアプリで最大500曲の利用が可能。’Teams Tier’プランはさらに最大五つのアプリで5000曲の利用が可能となっている。
アプリの説明によるとAdaptrは「基本金が750万ドル(8億円相当)以下かつ運営しているアプリの収益が450万ドル(5億円相当)以下の企業」のみが利用できる。
Adaptrには他にもキュレーションツールがあり、楽曲が再生されるごとに権利保持者に確実に料金が支払われることを保証しながら、スタートアップ企業が利用者に向けて音楽を楽しめるように自由にサービスをカスタムすることが可能になっている。
さらにFMGのプラットフォームには2015年にnon-interactive radioのアプリとフィットネス、リテール、ヘルスケア、ゲーミング、コネクティッドフィットネスやAI領域のデジタルテクノロジーを支援するFeed.fmも含まれている。
ワーナー・ミュージック・グループのデジタルチーフであるOana Ruxandra氏は「ワーナー・ミュージック・グループは全ての音楽のライセンシングを簡単にすること」をゴールの一つとしている。
さらにOana氏は「ライセンシングをより簡単にすることはイノベーションの推進、スタートアップコミュニティの支援、そして企業間の競争につながり、新しく進化した音楽との触れ合い方を提供することで私たちのファンを刺激し、さらにアーティストや作曲家に新しい価値を付与することができると信じている」とも述べており、
「Adaptrは私たちが求めるイノベーションとクリエイティビティへの刺激を可能にしてくれる」と語っている。
また、FMGの共同設立者兼CEOのJeff Yasudaは「Adaptrを利用することで、デベロッパーは音楽を利用する際に許可が必要かどうか気にする必要がなくなる」述べ、さらに
「Adaptrは彼らが利用したいコマーシャルミュージックに出会ったときに音楽ライセンシング、配信、支払い等の複雑な手続きを踏まずに簡単に合法で利用することを可能にする」と話している。
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