MUSERが注目する世界の音楽ニュース
ライブを見ながら、アーティストを応援するための配信プラットフォーム「MUSER」が注目する世界の音楽ニュース。今回は、今ではクラシックでお洒落なイメージのあるレコードに関するニュースを紹介する。世界の音楽ニュースを配信するサイトMusic Business Worldwide(以下、MBW)より抜粋。
ストリーミングサービス一強の時代にレコードやCDはどうなっているのか?
音楽業界にとって、2020年は曇り空が続く一年だった。しかし、レコードにとってはまた違った一年だったようだ。
RIAAのデータによると、レコードの売上がCDの売上を超えたそうだ。
これは、1986年以降34年ぶりのことである。 レコードは昨年アメリカ国内で、$6億(約600億円)を売り上げている、一方CDの売上は$4.8億($480億円)に留まった。
もちろん、コロナウィルスの影響で、音楽ファンの外出が規制された影響も間違いなくある。しかし、我々MBWは昨年末の記事で「CDの売上は来年落ち込み、その分レコードの売上が伸びるだろう。レコードはこれからCDより儲かる媒体になる。」と明記した。そして、その予想が見事に的中したのである。
CDの売上は2019年に比べて23.4%落ち込み、レコードは29.2%上昇した。RIAAによると、CDが$9.3億(約930億円)、レコードが$9.8億(約980億円)を売り上げた、1986年以来初めてのことだという。レコード売上の上昇のおかげか、CDやレコードなど物理的媒体における音楽業界での売上は2019年と比べて大きな落ち込みがなく、全体の9%程度を占めている。
しかし、アメリカの音楽業界では昨年の収益$122億(約1.2兆円)のそのほとんどが、ストリーミングサービスによる収入が牽引したものだそうだ。これからレコードは本来の目的とはまた違った魅力で売上を伸ばしていくかのかもしれない。
ちなみに、昨年アメリカで最も売れたレコードアルバム三つは、ハリー・スタイルズの “Fine Line” (23万部)、ビリー・アイリッシュの “When We All Fall Sleep Where Do We Go?”(20万部)、クイーンの “Greatest Hits” (18万部)であった。