MUSERが注目する世界の音楽ニュース
ライブを見ながら、アーティストを応援するための配信プラットフォーム「MUSER」が注目する世界の音楽ニュース。
今回は、コロナと音楽業界に関して大手リサーチ会社Midia Researchが発表したレポートについてのニュースを紹介ます。世界の音楽ニュースを配信するサイトMusic Business Worldwide(以下、MBW)より抜粋。
ライブやフェスが行えない状態で音楽業界への打撃は?
2020年を少し振り返ってみよう、コロナのパンデミックに関する暗いニュースがほとんどだったかもしれない。しかし、音楽業界にとっては「変化」を感じさせる少し変わった一年となった。
多くの音楽ショップが閉店し、クラブやライブハウスなどの音楽関連のビジネスが倒産する中で、パンデミック当初の第一四半期、音楽業界はクラッシュするのではないかと思われた。そして、第二四半期では、その恐怖が数字になって現れる。大手レーベルによるアルバムのリリース数が一気に下落したのだ。
しかし、今回Midia Researchによるレポートが2020年のグローバル音楽業界(大手レーベル、独立系など全てを含む)の売上に関するレポートを発表し、明るいニュースだと話題になっている。
Midiaによると、音楽業界は2020年$230億(約2.3兆円)を売り上げ、昨年に比べて7%($15億)上昇したという。$21億(約2100億円)の上昇を見せた2019年に比べると成長が鈍化した一方で、2020年のパンデミックを考慮すると7%の売上上昇は「凄い」の一言に限るとMidiaはレポートで述べている。
さらにMidiaは、音楽業界がパンデミック初期に売上が減少したものの後半になってリバウンドし更なる成長を見せていたことを評価している。そのリバウンドというのが、第四四半期で音楽業界が見せた昨年比15%上昇のことであり、これを見ると2021年は音楽業界にとって明るい一年になるだろうとMidiaは予測している。
中でも、ストリーミングサービスの普及が2020年の売上の下支えとなった。ストリーミングサービスの売上は昨年に比べて19.6%上昇し、金額ベースでは昨年より$23億(約2300億)多い$140億(約1.4兆円)に達したという。
個別のレーベルに着目するとソニーとユニバーサルが売上を伸ばし、ワーナーは昨年とほぼ変わらない結果となった。しかしMidiaによると、大手レーベル3社のシェアは昨年66.5%から65.5%に減少したという。この減少の一因が、DIYアーティストの台頭だ。DIYアーティストはTuneCore、DistroKid、SoundCloudなどのDIY サービスを使い昨年 $12億(約1200億円)を売り上げた。このセクターは昨年に比べ34.1%上昇し、初めて$10億の大台に到達し、音楽業界全体の売上の5.1%を占めているという。
Midia Research社マネジメントディレクターのMark Mulligan氏は
「レコーデット音楽業界はストリーミングサービスのおかげで今年もすごい強い成長を見せた。音楽業界全体を見ても、パンデミックによってパフォーマンス収入やSync収入が激減する中で音楽業界全体の売上が下がらなかったことはストリーミングサービスの強さをまさにハイライトしている。多くのプライベートエクイティがNative Instrumentsなどのアーティストツールを作成する企業に投資している中で、2021年は音楽業界にとって飛躍的に成長する一年になるだろう。音楽業界は変化している。」と述べている。
参照リンク:
https://www.musicbusinessworldwide.com/the-global-recorded-music-industry-grew-by-1-5bn-in-2020/
今回は、Midia Researchの2020年音楽業界に関するレポートのニュースを紹介させて頂きました。MUSERでは、先日北米の音楽市場とライブ配信プラットフォームにフォーカスしたレポート『コロナ禍中の北米ライブ市場10トピック・レポート』を公開しました。世界の音楽市場を牽引する北米がコロナにどのような影響を受けたか、そしてライブ配信がどのように貢献したか、興味がある方は是非下記のリンクからダウンロードください。
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